石油天然ガス・金属鉱物資源機構と包括的連携に関する基本協定書を締結 −地熱・金属資源開発分野における連携・協力を強化−

2020年11月12日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、11月12日(木)、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と地熱・金属資源開発分野における協力に関する基本協定書を締結しました。署名は、東京のJICA本部にて、北岡伸一JICA理事長と細野哲弘JOGMEC理事長との間で行われました。

これまで両機関は、地熱・金属資源分野において、連携関係を構築してきました。例えば、JICAの地熱人材育成のための研修事業(注1)や資源保有国から留学生を受け入れる「資源の絆」プログラム(注2)にJOGMECの講師を招き、日本の資源開発分野におけるノウハウを開発途上国の研修員に向けて発信しています。また、JICAが開発途上国で実施する地熱・金属資源開発事業に関する情報をJOGMECに共有してきました。

JICAとJOGMECは、この基本協定書に基づき、これまでの連携関係をより強固なものとするとともに、両機関が保有する知見及び人材等を活かして開発途上国の人材育成や資源開発支援をより一層推進していきます。こういった支援は、開発途上国による持続的な資源開発を促進し、その国の経済社会の発展に貢献するものです。さらに、開発途上国における持続的な資源開発の促進を通じて、日本のみならず、世界の資源の安定供給・確保にも貢献することが期待されます。

【基本協定書における連携内容】
(1)情報の交換・提供
(2)両機関が実施する資源開発に関する事業における協力
(3)人材交流
(4)その他本基本協定書の目的達成のために必要な事項

【注1:JICAによる地熱人材育成のための研修事業】
2016年度から開始された、地熱開発技術者向け「地熱資源エンジニア」(6か月間)、地熱掘削監督者向け「地熱掘削マネジメント」(1.5か月間)、地熱開発事業者や官公庁管理職向け「地熱エグゼクティブ」(2週間)の3つの研修。これらの研修では、産学官35機関以上と連携し、オールジャパンでの地熱人材開発研修をJICAは提供している。2016年以降、アフリカ、アジア、中南米各国より、100名以上の研修生を受け入れており、各国の地熱開発の根幹を支えている。

【注2:「資源の絆」プログラム】
2014年に開始された、JICA資源セクターの中心的なプログラム。開発途上国の鉱業分野を担う行政官や研究者を日本に招き、日本の大学院で学位(修士および博士)を取得するとともに、本邦民間企業や研究機関と連携しながらネットワークの強化を図ることで、鉱業開発を通じた開発途上国の持続的な発展に貢献すると同時に、それらの国との関係構築による日本との資源安定確保に寄与することを目的としている。これまで、アフリカやアジアを中心に、23か国から110名の研修員を受け入れており、10年間で約200名の受け入れを想定。